トピカルミーティング「革新炉・核燃料サイクルへのAIおよびデジタルツイン導入」を開催

 2026年10月15日、東京都市大学渋谷PXU(渋谷パクス)において、東京都市大学理工学部原子力安全工学科原子力システム研究室と茨城大学原子科学研究教育センター(RECAS)の共催により、トピカルミーティング「革新炉・核燃料サイクルへのAIおよびデジタルツイン導入(Introduction of AI and Digital Twins Frameworks to Seek Comprehensive Nuclear Power and Fuel Cycle Solutions)」を開催しました。

 本ミーティングは、次世代革新炉や核燃料サイクル施設へのAI・デジタルツイン技術の適用可能性について議論するとともに、日米の大学・研究機関間の連携強化を目的として開催されたもので、大学・研究機関・産業界から約30名が参加しました。

 当日は、米国ジョージア工科大学のAnna Erickson教授およびテキサスA&M大学のPavel V. Tsvetkov教授を招き、「AI-enabled Sustainable Nuclear Lifecycle」をテーマとした講演が行われました。講演では、高速炉、高温ガス炉、溶融塩炉などの先進炉を対象として、AIとデジタルツインを活用した燃料認証、設備監視、異常検知、ライフサイクル管理の高度化に関する最新の研究動向が紹介されました。

 また、原子力施設における遠隔監視技術やデジタル化の進展、AIによるデータ統合・解析手法、さらにはAIの信頼性確保やサイバーセキュリティ対策の重要性についても活発な議論が行われました。特に、原子力分野においてはAIを単独で意思決定に用いるのではなく、人間による監視・判断を前提とした「Human-in-the-Loop」の考え方が重要であることが共有されました。

 第2セッションでは、茨城大学RECASの岩佐和晃教授が、「原子力×情報」をキーワードとした茨城大学大学院理工学研究科前期博士課程における新たな教育プログラムについて紹介しました。本プログラムは、原子力科学・工学と情報技術を融合した人材育成を目的とするもので、デジタルツインやAIを活用できる次世代原子力人材の育成を目指しています。

 続いて、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)の多田健一博士から、原子炉解析のためのマルチフィジックス解析プラットフォーム「JAMPAN」の開発状況が紹介されました。複数の解析コードを連携させることで高精度な炉心解析を実現し、革新炉開発の効率化に貢献する取り組みとして注目を集めました。

 総合討論では、AI・デジタルツイン技術を活用した次世代原子力システムの開発や運用の在り方に加え、日米間の共同研究、学生交流、人材育成、データ共有などの連携可能性について意見交換が行われました。

 RECASでは、今後も国内外の大学・研究機関との連携を通じて、原子力分野における先端研究と人材育成を推進するとともに、AIやデジタルツインなどの先進情報技術を活用した新たな研究教育活動に取り組んでまいります。

開会のあいさつと会合の趣旨説明を行う高木直行教授(東京都市大学)

フリーディスカッションの様子

討論の様子

講演を行う Anna Erickson 教授(Georgia Institute of Technology)

茨城大学の新たな教育プログラムを紹介する岩佐和晃教授

会場の様子