さくらサイエンスプログラム活動報告
インド工科大学マドラス校より、7名の研究者・大学院生を招へいし、量子線科学分野の国際交流を実施
科学技術振興機構(JST)の「さくらサイエンスプログラム(共同研究活動コース)」の支援を受け、応用原子科学部門所属の前田知貴准教授が主導するインド工科大学マドラス校(IIT Madras)との研究交流を、2026年9月9日から29日にかけて実施しました。
本交流では、インド工科大学マドラス校からEthayaraja Mani教授を団長として、研究者および大学院生を含む計7名を受け入れ、量子線科学分野における最先端研究や日本の研究環境への理解を深めるとともに、活発な研究交流を行いました。
また、茨城大学原子科学研究教育センターが推進する「量子線科学による材料科学の発展」と、インド工科大学マドラス校Center of Excellence in Biodegradable Packaging Materialsが掲げる「化学工学に基づく環境調和型パッケージ技術の革新」を融合し、「量子線科学による環境調和型パッケージの技術革新」を目指す国際共同研究の構築に向けた議論を行いました。両機関が有するそれぞれの強みや研究基盤を活かした連携の可能性について活発な意見交換を重ね、今後の研究協力のさらなる発展と新たな研究領域の創出に向けた有意義な機会となりました。
本プログラムでは、東海サテライトキャンパスにおいて、量子線科学の概要をはじめ、中性子、小角中性子散乱、小角X線散乱、放射光、電子顕微鏡などに関する講義を実施しました。また、ナノマテリアルを題材とした研究活動や実験実習を通じて、量子線を活用した材料評価手法について理解を深めました。
施設見学では、J-PARC(大強度陽子加速器研究施設)を訪問し、物質・生命科学実験施設MLFやニュートリノ実験施設を見学しました。さらに、KEK(高エネルギー加速器研究機構)フォトンファクトリーでは放射光利用研究の最前線に触れ、日本が有する先端研究基盤とその社会実装について理解を深める機会となりました。
また、茨城大学水戸キャンパスでは学長を表敬訪問し、佐川学長、菊池理事、池田副学長、森学長特別補佐らとの懇談を実施したほか、日立キャンパスではカーボンリサイクルエネルギー研究センター (CRERC)の教員・学生との交流会を開催し、専門分野や研究テーマについて活発な意見交換が行われました。
プログラム中盤では、栃木県産業技術センターの研究開発設備を活用した評価技術について学ぶとともに、後半には、慶應義塾大学理工学部堀田研究室を訪問し、ナノマテリアルを複合化したコーティング・フィルムの物性評価に関する共同研究活動に取り組みました。特色ある研究設備を活用した実験や研究室メンバーとの議論を通じて、将来的な共同研究の可能性について具体的な検討が進められました。
さらに、日本科学未来館、三菱みなとみらい技術館、日立オリジンパーク、偕楽園、江戸東京博物館などの訪問を通じて、日本の科学技術や歴史・文化への理解を深める機会も設けられました。参加者は研究活動だけでなく、日本の社会や文化についても多角的に学び、交流を深めました。
最終日には茨城大学東京サテライトオフィスにおいて研究活動報告会および修了式を開催しました。参加者それぞれが本プログラムで得た成果や今後の研究計画について発表し、活発な質疑応答が行われました。その後、修了証が授与され、約3週間にわたる交流プログラムを締めくくりました。
RECASでは、本プログラムで構築された人的ネットワークを活かし、量子線科学および先端材料研究分野における国際共同研究の推進と、次世代研究人材の育成に引き続き取り組んでまいります。

日本到着


RECASでのオリエンテーションと実習風景

学長表敬訪問


J-PARC見学


KEKフォトンファクトリー見学

日立キャンパスでの交流


栃木県産業技術センターでの実習風景


慶應義塾大学堀田研究室での実習風景









研究活動報告会と修了証書授与式

