令和8年度「原子力システム研究開発事業(若手)」に採択

 次世代革新炉部門の矢木啓介講師が研究代表として申請した研究課題「新型原子炉の敷地内リプレースを加速させる原子炉内部設備解体に向けた水中移動ロボット技術の開発」が、文部科学省の令和8年度「国家課題対応型研究開発推進事業(原子力システム研究開発事業)」の「若手カテゴリー」として採択されました。

 本事業は、原子力発電所の廃炉作業における原子炉内部設備の解体を対象とし、水中レーザー切断技術と水中移動ロボット技術を融合した新たな解体技術の開発に取り組むものです。

 本事業では、水中環境におけるレーザー切断の優位性に着目し、レーザー切断装置を搭載した水中移動ロボットを開発します。移動ロボットによる切断作業では、切断時に発生する反力がロボットの姿勢や位置のずれを引き起こす要因となりますが、レーザー切断は機械切断に比べて反力が小さいため、水中での安定した作業に適しています。また、水中環境では放射線遮へい効果が得られるほか、ロボットが目標箇所へ三次元的に移動できるという利点があります。一方で、水中でのレーザー切断にはミリメートル単位の高精度な位置制御が必要であり、流体の乱れやアシストガスによる外乱への対応が技術的課題となっています。

 本事業では、

  • 水中レーザーヘッドモジュールの開発と切断条件の最適化
  • 水中移動ロボットの超高精度位置・姿勢制御システムの開発

の2つを柱として研究開発を進めます。特に、複数のセンサ情報とモデル予測制御を活用することで、複雑な流体外乱下でもレーザー照射位置をミリメートル単位で制御する技術の確立を目指します。

 本技術が実現すれば、原子炉解体作業の安全性向上や効率化に加え、次世代革新炉への円滑なリプレースの促進に貢献することが期待されます。また、廃炉作業のDX(デジタルトランスフォーメーション)や、原子力施設の点検・補修などへの応用展開も見込まれています。

 今後、原子科学研究教育センターでは、本研究を通じて原子力分野における先進的な研究開発を推進し、安全で持続可能な原子力利用に貢献してまいります。

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